私のデザインの源泉<私の里山「お葬式の記憶」>

私の実家の地域では、20年ほど前にはまだ土葬が行われていました。
町内の誰かが亡くなると、隣組の5世帯が埋葬場所に棺桶を埋める穴を掘りに行きます。
お坊さんが以前の埋葬から時が経っている場所を指示し、そこに深さ2メートルほどの穴を掘るのですが、決められた敷地内でのローテーションですので昔埋葬された人の骨が出てきます。
子供の頃は、そんな話を聞くだけでも怖くてしかたなかったのですが高校生ぐらいになると、大人たちが掘っている穴から出てきた頭蓋骨を見て「これは、だれだれのところの婆さんだな。」などと話しながら、もう一度穴の脇に埋め直してあげたりするのを見ていると、怖いという気持ちではなく「ああ、あの婆さんか。」と、ちょっと懐かしいような気持ちになるようになりました。
現在は、火葬になりこのような経験をすることは出来なくなっていますが
今、里山というものを考えるときに、人と自然をきりはなして考えるのでは
なく、人も自然の一部なんだということを強く実感させられた私の里山
記憶の一つとなっています。

私の月の夜の空気感は、こんな感じです